小学生のころ、分数の割り算を習ったとき、頭の中が「??????」でいっぱいになりました。
今まだ「??????」の方にスッキリする説明をお届けします。
分数の割り算・・・
1 確認
分数の割り算をする前に3つほど計算の確認をします。
その1 分子分母=分子分母となります
例 $$4\div5=\frac{4}{5}$$
その2 分母の1は省略してある
例 $$\frac{5}{1}=5$$ となる
その3 分子分母を逆にした分数をかけると1になる
例 $$\frac{2}{3}\times\frac{3}{2}=1$$
その4 分母と分子に同じ数をかけても変わらない
例 $$\frac{2}{3}=\frac{2\times5}{3\times5}=\frac{10}{15} $$これを約分すると $$\frac{10}{15}=\frac{2}{3}$$
2 計算
$$\frac{2}{3}\times\frac{4}{5}$$を計算してみます。
その1のことから $$\frac{\frac{2}{3}}{\frac{4}{5}}$$ ??????????????????????
分子分母が分数になる分数を繁分数と言います。
ここからの計算は分母を1にし、わかりやすい形にしていきます。
その3とその4のことから
$$\frac{\frac{2}{3}}{\frac{4}{5}}=\frac{\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}}{\frac{4}{5}\times\frac{5}{4}}=\frac{\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}}{1}=\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}$$
みごとに、分数の割り算がひっくり返って掛け算に変わりました。
3 まとめ
計算式をまとめると
$$\frac{2}{3}\times\frac{4}{5}=\frac{\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}}{\frac{4}{5}\times\frac{5}{4}}=\frac{\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}}{1}=\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}$$
式の間が複雑になっていますが、分子分母を逆にして掛け算の形ができれば計算ができるので
$$\frac{2}{3}\times\frac{4}{5}=\frac{2}{3}\times\frac{5}{4}$$
となり、ひっくり返して掛け算の形だけ残って「どうして?」の部分が抜けてしまったというわけです。
複雑なものをシンプルにするのはいいのですが、肝心な性質を理解していないことが「わからない」につながっています。
$$AB=0$$ は A=0またはB=0となる性質を覚えていないことで、つまづくこともあります。
例えば
$$(x-2)(x-3)=0$$という方程式を解くと
xー2だから2、xー3だから3と符号を変えて解答するということだけ覚えている場合
$$x(x-3)=0$$ という問題のときx=3 と解答して間違えることがあります。
上の例に当てはまると
$$x(x-3)=0$$よりAB=0 の場合 A=0またはB=0となる性質を使って
x=0またはx-3=0なので
x=0またはx=3
したがってx=0,3 となるのです。
「こんな風に計算すれば解ける」という結果だけ覚えるような学習方法もある程度までは良いと思いますが、「なぜ?」「どうして?」という疑問を持って、とことん考える経験も大事だと思います。
人は楽をしたい生き物ですが、頑張って考えましょう!